連載企画「豊富温泉と私」トップバッターの乾癬の会副会長の菅野真宏です。
これまでにも何回か自分の乾癬発症について、試みてきたことやその結果、温泉との出会いなどに関して色々な場でお話をさせていただきました。昨年度もかでる2.7での学習会、第40回日本乾癬学会学術大会では皮膚科の先生200人の前での講演、豊富温泉ツアー乾癬学習懇談会での講演会などお話をする機会がありました。
初めて私の話を聞いた方からは「豊富温泉以外でも乾癬に効果のある温泉があるの?どこなの?」など温泉に興味を持っていただき、そのことは新たな乾癬への挑戦の始まり、きっかけになったのであればうれしい限りです。
現在の乾癬治療が日々進化しているのと比べると、私が発症した41年前は病院に行っても何であるかわからなかったり、病名が判明するまでにいくつもの皮膚科を受診したという方が多い時代で、乾癬は「現代の医学では治らないので一生付き合う覚悟でいてください」と言われた時代です。
そのような環境の中で、北海道でいち早く乾癬患者会が34年前に発足したのは画期的な出来事であったと思います。
尋常性乾癬発症から6年後、突然全身に大きな紅斑が現れ、痒みと床に落ちる鱗屑との戦いが始まりました。仕事が営業だったので人と面談しなければならないことは大きなストレスになりました。
会社の上司にも相談できないしどうしたらよいだろうと悩んでいたころ、新聞で乾癬に関する講演会があるという記事を見つけ、苫小牧から札幌へ足を運びました。会場には私が想像していた以上の方がいらっしゃいました。「自分と同じように乾癬で悩んでいる人が多いのだな!」と感じました。講演は自身も乾癬を発症している福島県の佐藤先生でした。先生のこれまでの体験や現在の症状、治療についてなどの話をされていましたが、患者さんを診ながら自身も治療しなければならないというのは大変だろうなと思いました。
その頃私が受けていた治療は紫外線療法のPUVAで、1週間に1度通院し治療を受けていました。10回目くらいまでは改善が見られましたが、その後は紫外線を浴びることにより日焼けムラのような個所が数か所見られ、間隔をあけて治療するようになりました。
しばらくして札幌市内にある事業所に転勤になり、自宅に近い皮膚科に通院しましたが、塗り薬での治療を続けていましたが改善が見られなかったこともあり病院を変えることにしました。
小林皮膚科クリニックに通うことにしたのです。このことが私の乾癬に関する考え方を大きく変えることとなります。院長の小林仁先生から乾癬の会のことを聞き、豊富温泉が尋常性乾癬に効果があり患者会で毎年ツアーを行っていることや、夏には海水浴ツアーを行っている(現在は行っていません)ことを伺いました。
それからしばらくして乾癬が再び悪化し、顔にも紅斑が見られるようになり、全身の激しい痒みから眠れない日が続き、仕事にも支障が出るようになり、このことを上司に相談しましたが理解してもらえず、私は退職を決意しました。
退職して私が真っ先に取った行動は「豊富温泉に行く!」でした。1週間ほど滞在し入浴したところ、行く前の状態が100だったとするとこの1週間で20~30まで改善したのです。これほどまでに効果があるのか!驚き以外の言葉が見つかりませんでした。これがきっかけで温泉に関する資格を取得したり、乾癬の会にも入会したり、乾癬が改善したことにより気持ちが前向きになりました。乾癬の会の皆さんもツアーでは新加入の私を歓迎して下さり、色々なアドバイスや気持ちの持ち方などを教えていただきました。
悩んでいる方がいらしたら乾癬の会の相談医の先生や会員の方に相談すると一発で改善します。乾癬歴50年の方もいらっしゃいます。経験者の話を聞くと自分はこれまでなんて小さなことで悩んでいたのだろうと感じるはずです。
気持ちの病にならないでください。乾癬治療に関しては生物学的製剤などの登場によって著しい進歩がみられるようになりました。 乾癬は治らない病ではなくなる時代がもうすぐ訪れるでしょう。その時が来るまで私は同じ患者の皆さんの良き相談相手となれるようになりたいと思います。
菅野真宏