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琥珀色の希望

私が初めて豊富温泉を知ったのは、母がひどい火傷をして豊富温泉に湯治に行ったのがきっかけでした。幸い母の火傷は治りました。数年後、私がそのお湯に救われる事になるとは思いもしませんでした。
 私が乾癬を患ったのは40代の頃です。子育てと仕事に追われる毎日の中で、肘にポツポツと湿疹らしき物が出た時はそのうち治るだろうと軽く考えていましたが、肘の湿疹は一向に治らず、それどころか膝にも同じ湿疹が出てきて初めてこれ何だろうと、本当に今にして思えば私はお気楽な人間です。
 医師から乾癬ですと言われても、「乾癬?」、「何ですかそれは?」、「感染する皮膚病?」。当時は今のようにSNSもなく情報もなく、漠然と全治は難しい皮膚病の事実だけが重くのしかかりました。
 ある日、私の症状を見た母が「豊富温泉が火傷を治療出来るなら、乾癬にも効果があるかもしれない、試しては」言われましたが科学的な裏付けがないのにどうかなぁと、でも私にとってはこれが最後の希望だと思い10日間の予定で豊富温泉へ湯治に行きました。
 豊富温泉のお湯はタールの匂いがする琥珀色の独特な温泉です。私は治りたい一心で朝、昼、晩、1時間、1日3回、計3時間入浴を続けました。湯治場には全国から乾癬だけではなく、アトピー等他の皮膚疾患で悩んでいる方々もいました。一人で抱え込んでいた苦しみを分かち合える仲間がいる。その事実はお湯の効能もさりながら私の心を軽くしてくれました。帰宅してひと月経った時乾癬が無くなりました、でも寛解では有りません、時間が経つと症状が現れます。しかし、症状は随分と軽くなりました。最初は10日間の予定が翌年からは4日間の湯治を6年続けて、現在は乾癬の会に入り微力ながらお手伝いしています。
 豊富温泉は万人に効果があると言えば語弊が有りますが私には合いました。そして乾癬で悩んでいる方々に一言、「それでも試してみる価値は有ります」

涌井祐美

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